シンギュラリティ教徒への論駁の書

“Anyone who believes that exponential growth can go on forever in a finite world is either a madman or an economist.” - Kenneth Boulding

第2章

カーツワイルのシンギュラリティ説とその批判

前回のエントリで述べた通り、レイ・カーツワイル氏のシンギュラリティ説は、必ずしもそれ以前のシンギュラリタリアンの説を踏まえたものとは言えません。けれども、カーツワイル氏の説は最も広く普及しており、現在シンギュラリティについて論じる上で議論…

2045年問題とは何か

2045年問題という言葉を「2045年に人間を超える人工知能 (AI) が作られる」と捉えている人が居るようですが、これは誤りです。カーツワイル氏は、1人の人間と同等のAIが作られる時期は、2020年代の終わりまでであると予測しています。

シンギュラリティ3つの学派

前回のエントリでは、カーツワイル氏によって「シンギュラリティ」という言葉の使い方が、ヴィンジ氏以前のシンギュラリティ論者の意味と180度転換されてしまっているということを指摘しました。「シンギュラリティ」という言葉は、様々な論者がいろいろな意…

シンギュラリティとは何か?

本書では「シンギュラリティ」について考えていくつもりですが、まず初めにシンギュラリティとは何であるのかについて説明します。 この言葉がもともと使われていた数学分野での「特異点」という用語は、一般的な法則が適用できなくなる点、典型的には関数の…