シンギュラリティ教徒への論駁の書

“Anyone who believes that exponential growth can go on forever in a finite world is either a madman or an economist.” - Kenneth Boulding

書評

レイ・カーツワイル『スピリチュアル・マシーン』を読んで、シンギュラリティ論への違和感の原因が理解できた

私が『ポスト・ヒューマン誕生』でのカーツワイル氏のシンギュラリティ論を読んだ時、疑問を感じたことがあります。 カーツワイルの未来予測において根幹を成す仮定は、「宇宙の"秩序"が指数関数的に加速する」という原理、「収穫加速の法則」です。一方で、…

書評:数学破壊兵器 『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』(キャシー・オニール)

おそらく、ここ数年出たAI・ビッグデータ関連本のなかでは最重要な本。個人的には、このブログを読むような人は、立場にかかわらず必ず読むべきだと思う。 あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠 作者: キャシー・オニール,久保尚子 出版社/…

感想文: AI vs. 教科書が読めない子どもたち

「東ロボくんプロジェクト」と「リーディングスキルテスト(RST)」で一躍時の人となった感のある新井紀子氏の新刊。 AI vs. 教科書が読めない子どもたち 作者: 新井紀子 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2018/02/02 メディア: 単行本 この商品を含む…

書評:来世としての『全脳エミュレーションの時代』(ロビン・ハンソン)

全脳エミュレーションの時代(上):人工超知能EMが支配する世界の全貌 作者: ロビン・ハンソン,井上智洋,小坂恵理 出版社/メーカー: エヌティティ出版 発売日: 2018/03/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 全脳エミュレーション…

書評:『Deep Learning with Python』は、人工知能と人間の知能への深い洞察を含んだ良書だった

Deep Learning with Python 作者: Francois Chollet 出版社/メーカー: Manning Pubns Co 発売日: 2017/12/22 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 本書は、Kerasを用いたディープラーニングの基礎への入門書です。著者のフランソワ・ショレ…

書評:『そろそろ、人工知能の真実を話そう』ジャン=ガブリエル・ガナシア

そろそろ、人工知能の真実を話そう 作者: ジャン=ガブリエルガナシア,伊藤直子,小林重裕 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/05/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る この本の著者であるガナシア氏は、パリ第6大学のコンピ…