シンギュラリティ教徒への論駁の書

"Enjoying science fiction is not the same thing as doing science or making science policy." - Dale Carrico

第8章

レイ・カーツワイル氏の2029年予測

こちらは、フューチャリストのレイ・カーツワイル氏が、1999年 (邦訳は2001年) の著書『スピリチュアルマシーン』の中で発表した、30年後 (2029年) の将来予測です。 こちらの予測はまだ10年も先のことであるため、評価は行わず、引用に留めておきます。2017…

わたしもシンギュラリタリアンだ! (あるいは特異点論者のカーツワイル批判)

ここまで、私はレイ・カーツワイル氏の主張を検討し、また強く批判してきました。 確かに、近年では「シンギュラリティ」あるいは「シンギュラリタリアン」という言葉は、カーツワイル氏の個人的主張と強く結び付いています。「2029年」や「2045年」という彼…

シンギュラリタリアンの認知的不協和と合理化

前回、「認知的不協和の理論」および、その不協和を解消する「合理化」について説明しました。 現在のカーツワイル氏とシンギュラリタリアンの議論においてさえ、「テクノロジーの発展が指数関数的ではない」という現実を合理化する議論の存在を指摘できます…

シンギュラリタリアンの『予言がはずれるとき』

これまでの記事で、私は現時点で既にカーツワイル氏の予言の大部分が外れていることを示しました。 今後、時間が経過するにつれて、ますます多くの予言が外れていることが明白となり、2040年、2050年代になっても「シンギュラリティ」なる事象が到来しないこ…

責任ある未来予測

ここまで、私はカーツワイル氏が約20年前に述べた未来予測を評価してきました。 私個人の評価によれば、出版から10年後の予測は正答率55%、20年後については22%という結果でした。比較的短期の予測にはそこそこの正答率を示している一方で、長期トレンドにつ…

翻訳:レイ・カーツワイルのあいまいな未来予測

この文章は、アメリカン・サイエンティスト誌の元編集長ジョン・レニー氏が、2010年11月にIEEE Spectrumのサイト上で発表したエッセイ"Ray Kurzweil’s Slippery Futurism"の翻訳です。 レイ・カーツワイルのあいまいな未来予測 今日、もしも自分のコンピュー…

カーツワイル氏の将来予測についての考察

以前の2つの記事で、私は1999年時点でのカーツワイル氏による2009年、2019年の予測を検討しました。 全体を通して予測の印象を述べると、以下の通りです。 コンピュータ関連のテクノロジー自体に関する予測は先見の明がある テクノロジーの使われ方に関する…

カーツワイル氏の過去の予測を検証する ─ 2019年 (結果)

こちらは、フューチャリストのレイ・カーツワイル氏が、1999年 (邦訳は2001年) の著書『スピリチュアルマシーン』の中で発表した、20年後 (2019年) の将来予測の検証です。本文は、以下の記事をご覧ください。 概要 注意事項 予測文の区切りは、意味の区切り…

カーツワイル氏の過去の予測を検証する ─ 2009年 (結果)

こちらは、フューチャリストのレイ・カーツワイル氏が、1999年 (邦訳は2001年) の著書『スピリチュアルマシーン』の中で発表した、10年後 (2009年) の将来予測の検証です。本文は、以下の記事をご覧ください。 概要 注意事項 予測文の区切りは、条件を合わせ…

未来予測をどう読むか

これから先の記事で、カーツワイル氏による過去の将来予測を取り上げ、彼の「収穫加速の法則」を元にした予測の精度を検証してみたいと考えています。ただし、本題に入る前に、未来予測の検証において、注意しておくべきことを挙げたいと思います。(これには…

カーツワイル氏の過去の予測を検証する ─ 2019年

以下の引用は、フューチャリストのレイ・カーツワイル氏が、1999年 (邦訳は2001年) の著書『スピリチュアルマシーン』の中で発表した、20年後 (2019年) の将来予測です。 予測の評価結果は、以下の記事をご覧ください。 コンピュータ コンピュータはほとんど…

カーツワイル氏の過去の予測を検証する ─ 2009年 (2)

以下の引用は、フューチャリストのレイ・カーツワイル氏が、1999年 (邦訳は2001年) の著書『スピリチュアルマシーン』の中で発表した、10年後 (2009年) の将来予測の後半部分です。 予測の詳細な検証は、後の記事をご覧ください。 ビジネスと経済 ときおり修…

カーツワイル氏の過去の予測を検証する ─ 2009年 (1)

以下の引用は、フューチャリストのレイ・カーツワイル氏が、1999年 (邦訳は2001年) の著書『スピリチュアルマシーン』の中で発表した、10年後 (2009年) の将来予測の前半部分です。 予測の詳細な検証は、後の記事をご覧ください。 コンピュータ 時は2009年。…

カーツワイル氏の予測的中率は本当に86%なのか?

カーツワイル氏は、1990年代から未来予測を発表しているため、一部の予測の期限は既に到来しています。彼の予測手法は、直近の過去におけるテクノロジーの進歩のトレンドを、未来へと外挿するという手法です。それゆえ、カーツワイル氏が過去に発表した予測…

カーツワイル氏の不老不死に関する何度も何度も外れた予言

カーツワイル氏は、20年後には人類の平均寿命は100歳を超え、30年後には120歳を超えると主張しています。 ただし、これは1999年の『スピリチュアル・マシーン』の中の予測です。つまり、ここで言われている「20年後」は2019年、「30年後」とは2029年を意味し…

予測をするのは難しい。未来についてはなおさらだ。

ニューヨークヤンキースの偉大な監督ヨギ・ベラ (大リーグの長嶋茂雄さんみたいな人) が言う通り、予測をするのは難しく、特に未来についての予測はなおさら難しいものです。未来予測は、ほとんど外れます。これは、よく指摘される「30年以内に石油が枯渇す…